「POST OMIYA」は、さいたま市大宮区の遊休化していた郵便局の職員宿舎を2021年に一棟まるごとリノベーションしたプロジェクトです。
郵便局の職員宿舎として使われてきた日本郵便大宮社宅は、2011年に利用を停止、その後は遊休化していました。
「らいおん建築事務所」としては、日本郵便株式会社が所有する旧社宅を民間事業者が日本郵便から一括借上げ、民間賃貸住宅(一部店舗)として転貸事業を行うという再生活用の提案と、企画・プロデュース・事業のコーディネートを行いました。株式会社ルーヴィスによるリノベーションが行われることになり自主施工のリノベーション工事部分の設計・工事監理を行いました。
住宅部分はシンプルなワンルームプランでDIY可能、ゆとりのある1人暮らしやカップルがそれぞれ自分のライフスタイルに合わせて手を加えられるようベーシックな白を基調とした内装にしました。
店舗部分は1階に固めて、元々バルコニーだったところに階段状のデッキと出入口を設け、人通りが一番多い角地に人々が集まれる外部空間を作ることで、住居との動線を分けつつ、賑わいのある憩いのスペースが生まれました。
大宮駅から徒歩7分ほどの好立地にも関わらず、古い住宅が密集して、舗装もされてない細い通路が多く、どこかここだけ取り残されたようなエリアになっています。
住み手が少しずつ手を加えて、継承されていく住居の供給で、新しい層の住人を迎えられる場所に生まれ変わった、この場所が1つの「標」となり、周辺エリアのコミュニティづくり、賑わい創出や防災機能の向上など、地域のまちづくりにも波及できればと考えてます。
竣工年:2021年
場所:埼玉県さいたま市大宮区
用途:共同住宅 一部店舗
主要構造:RC造
規模:地上4階 1,207.00㎡
撮影:中村 晃